この記事で分かること

たくわん

監修者:たくわん

ハヤたくAI 代表 / MBA(経営学修士)

11年の代表取締役経験を持ち、年商73億→110億の実績を持つ。現在はプライム上場IT企業でマーケティング責任者 兼 AI実装BPR担当として従事。YouTube『たくわんの経営チャンネル』で経営・AI活用の実践ノウハウを発信中。

ベテランが若手に書類を見せながら説明している事務所の様子

属人化の解消がうまくいかない理由は、3つに分かれます

マニュアルは作った。手順書もある。それでも人によって仕上がりが違う。ベテランは気づくことを、2年目は見落とす。休みも取りにくい。あの人が辞めたらどうなるのか、考えたくない。

やることは分かっているのに、解消できない。そういう会社を見ると、理由は次の3つのどれか、または全部でした。

理由① 手順が「見に行くもの」になっている

マニュアルは、たいていフォルダのどこかに置かれます。そして見に行かれません。

探して見に行く形のままだと、忙しい日に必ず抜けます。忙しい日ほどミスが出ます。覚えてもらうより、作業の途中でその場に出てくる形にするほうが続きます。

理由② 手間がかかる所と、属人化している所が違う

いちばん時間がかかる作業を直そうとするのは自然です。ただ、そこはすでに手が打たれていることが多いです。

会計事務所の業務を工程に分けて眺めると、こうなっていました。

工程状況
記帳・仕訳時間はかかるが、専用のサービスに出せば1〜数営業日で返ってくる。AIで作り直す意味が薄い
その手前:届いた資料が何月分で、何が足りないかの突き合わせ道具が無く、人が毎回頭を使い直している
その後ろ:説明、相談、引き継ぎ道具が無く、ベテランの頭の中にある

手間がかかる作業は、誰がやっても同じ結果になるものが多いので、外注やソフト化が進んでいます。属人化が残っているのは、人が頭で判断していて、道具が無い所です。この2つを取り違えると、直しても何も変わりません。

会計事務所の例で書きましたが、建設でも製造でも、工程に分けて「道具が無い所」を探す見方は同じです。実際の解決例はこちらにまとめています。

理由③ 標準化が、現場の判断まで固めてしまう

属人化を解消しようとして、手順を全部そろえにいくことがあります。ところが現場では「この取引先はこう来るから、こうしておく」という判断が日々行われています。これを全部揃えようとすると、うまくやっている人ほどやりにくくなります。

分けて考えると進めやすくなります。

全部を標準化しようとして失敗する会社は、この2つを一緒に扱っています。

催促は、AIでは解決しません

資料が出てこない。連絡しても返ってこない。ここをAIで解決できるとは言えません。

催促は3段に分かれます。

段AIで解けるか
誰が何を出していないかを把握する解ける。AIというより台帳の仕事
連絡する解ける。AIがやるのは文面を整えることくらい
相手が動く解けない。相手の都合による

取引先5社を想定して、止まっている理由まで書き出してみたところ、5社とも理由が違いました。

催促の自動化が効くのは、このうち1社です。共通していたのは、いまどこで止まっているのかが誰にも見えていないことでした。だから先に作るのは、催促の仕組みより、止まっている場所が見える台帳になります。

作るのは2つだけです

新しいアプリは増やさず、スプレッドシートで足ります。

役割中身
上段段取りが回る進行台帳と週次の計画
下段分からないことを引ける判断のルールと、よくある質問

上段と下段は別々に回します。片方が止まっても、もう片方は動くからです。

上段は、案件ごとに工程・期限・いまの状態を1行ずつ持ちます。届いたメールを読ませて、状態が変わる行だけを更新します。このとき「メールが来たら完了」にしないのがポイントです。「来週になりそうです」という連絡を受領扱いにすると、台帳が事実と合わなくなります。内容を読んで判断させます。

下段は、聞かれて答えたことを1行ずつ貯めます。答えが無かった質問は人が答えて、そのときだけ増やします。AIには、台帳にあることだけで答えさせ、無いときは「無い」と言わせます。推測させないことが、所内で使える状態の条件でした。

先に決めておくこと:置き場所

AIを入れる前に、何をどこに置くかを決めておきます。決めずに始めると「これは入れていいのか」で手が止まります。

区分中身決めること
一般の知識法令、書籍、公開資料自社の情報が入らないので、比較的自由に置ける
取引先ごとの判断判断のルール、その客のクセ(社名が入る)どこに置くかを会社として先に決める

契約の形も確認します。法人向けの契約では、入力が学習に使われない扱いのものが多いですが、事業者ごとに違います。使う予定のサービスの規約で確かめてください。取引先から聞かれたときに答えられる状態にしておくためです。

まとめ

属人化がなかなか解消しないときは、次の順で見直すと進みます。

  1. 手順を、作業の途中で出てくる形にする
  2. 工程に分けて、道具が無い所を探す
  3. 揃えるものと、人に残すものを分ける

標準化より先に、いまどこで止まっているかを見えるようにしてください。見えてから、どこを揃えるかが決まります。


御社の場合はどう組むか

取引先ごとのクセや工程の違いは、御社の中にしかありません。仕組みの部分はこちらで作ります。

読んで「自分で作れそうだ」と思われたなら、それがいちばんです。詰まったところだけ、聞きに来てください。


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執筆者プロフィール

ハヤたくAI代表 たくわん

11年の代表取締役経験(年商73億→110億)を持ち、現在はプライム上場IT企業でマーケティング責任者・AI実装BPR担当として従事。MBA保有。経営者として培った実務経験とAI実装の知見を活かし、中小企業のAI導入を支援。本記事は、実際に現場で実践しているAI運用フレームワークを基に執筆。